ティエスト - イン・マイ・メモリー

Tiëstoのアルバムは、ミニマルなプログレッシブハウスナンバー「Obsession」や、控えめなローエンドシンセが光るテクノトランスダンスナンバー「Dallas 4 PM」といったダンスフロアアンセムが最大の魅力だ。最後のトラック「Suburban Train」は、ユーロトランスのチープさに多少陥りながらも、軽快で興味深いメロディーに満ちている。また、Portisheadを彷彿とさせる「Battleship Gray」では、驚くほど優れたトリップホップトラックを作曲しており、アルバム中最高のボーカル（この曲の共作者であるKirsty Hankshawによる）を聴かせる。『In My Memory』は、オープニングトラック「Magik Journey」で、美しいダークアンビエントのイントロから始まるものの、残念ながらより平凡なプログレッシブトランスの領域へと進んでしまうため、期待外れだ。ダウンテンポの「Close to You」は、甘すぎる女性ボーカルが耳障りで、ハードで機械的なノイジーな「Flight 643」も全く機能していない。これはファンだけに捧げる曲だ。まだファンでないなら、シングル盤を待った方がいいかもしれない。